他社の事例に学べ!深堀り、成功EC事例インタビュー
≪キッチンラックが大ヒット!ニーズに合わせた商品開発で成長を続けるレオパレスの通販事業≫
不動産事業を行なうレオパレス21が、同社の入居者に向け、ニーズに合った商品を販売するオンラインショッピングのサービスを開始した。
不動産事業を行なわれる同社が運営するECビジネスについて話しを聞いてきました!
株式会社レオパレス21
ブロードバンド事業部 企画サポート課
課長代理 須藤 和之 氏 (写真奥)
ブロードバンド事業部 企画サポート課
柘植 香奈子 氏 (写真手前)
■入居者向けのECサービス
2008年1月に、建築・賃貸事業を行うレオパレス21がオンラインショッピングのサービスを本格的に開始した。
このサービスは、レオパレスの賃貸物件利用者向けのブロードバンドサービスのひとつであり、「LEO-NET」と呼ばれる同社の管理する賃貸物件入居者向けブロードバンドサービスを介して、利用者がTVで商品の購入を行なうという、特異なECサービスである。
(08年7月末には、一般ユーザーにも利用ができるWEBサイト「Leopalace Online Shopping( http://los.leo-shop.jp/ )」を開設)
LEO-NETは、専用チューナーとTVを使った入居者が利用できるレオパレス独自のTVサービスとなっており、映画のVOD(ビデオ・オンデマンド)やCS放送、天気などのコンテンツがある。現在では広告出稿をするスポンサーが集まるなど、1つの媒体ともなり得ている。
■部屋の間取りに合わせた「生活雑貨」を販売
販売している商品は全部で約150点(2008年12月現在)あり、主に生活雑貨が中心だ。売れ行きは特定の商品に購買が集中しており、中でももっとも売れている商品がこの「キッチンラック」(写真参照)。
「むしろこれしか売れてないっていうくらい売れています(笑)」(柘植店長)
このキッチンラックは、メーカー企業と相談、の上レオパレスの物件で使えるサイズの物を特別に発注したものであり、価格に関しても顧客のお財布事情を考え、かなり押さえた形で提供している。
同社が行なうECサービスの最大の強みは、こうした『物件の間取りを含めた顧客の情報を詳細に把握して、そこからニーズにあった商品を開発することができる』ということ。
「ECサイトとしては後発のサイトになるので、単に既存のEC企業様と競う形では中々難しく、同じ商品を扱って価格で比較されても疲弊してしまうので、自社の入居者のニーズにあったものをどれだけサイトにおけるのかということが重要になってきます。ですので、そこには相当力をいれています」と語るのは事業を責任者として支える須藤さん。
キッチンラック以外の売れている商品を伺うと、シャワールーム用のシャンプー台などの収納用品や、お米やレトルト食品などの食材、更にはメーカーさんに特別に直販で扱わせてもらっているスイーツというものも出てきた。
「引っ越して間もない」「一人暮らし」というキーワードだけではなく、男女比率・年齢・収入などの詳細データをもち、そのデータを元に入居者のニーズを掴み取り、商品の開発・仕入れを行っていくことで順調な売り上げ推移を維持している。
■産直形態による、徹底した人件費の削減。専任担当一人の運営体制
同社のECサービスの特徴は、その運営方法にもある。受注があれば取引企業(メーカー・卸業者)に連絡がいき、出荷は取引企業から顧客に直接送付するという「産直」に近い形で運営を行なっており、徹底的に運営コストを削減している。物流もコールセンターも全て外部にて委託をしており、新規の仕入れや価格設定・ディレクションなどを行なう運営の専任社員はたった1名。あとはWEBの更新担当がいるのみという体制。
しかも、その運営を任されている店長の柘植さんは、ECサイトの運営に関しては全くの素人だったとのこと。取引企業と相談をしながら、半ば手探り状態で運営進めもうじき1周年を迎える。
経験は浅いが発想力のあるスタッフが、フットワークの軽い体制で動くというスタンスが、顧客にうける商品を販売している源泉となっている。
■メーカーと二人三脚で行う商品開発
メーカー企業との関係性も特徴の1つである。商品の販売個数や売上高のうち、オーダーメイド商品が占める割合が比較的高く、メーカー企業と綿密に連携を取っていることが見て取れる。そして、それを可能にしているのがLEO-NETと全国に展開する49万室のレオパレス入居者だ。(2008年12月現在)
その数値から予測できる将来性を見越して、現在も商社や物品メーカーからの商品の企画や提案は後を絶たない。例えば、先ほどのスイーツのメーカーも、まだ商品点数が30点ほどしかない立ち上げ当初から行っているとのこと。こういった企業とのやり取りの中から、入居者のニーズにあった商品を企画して販売を行い独自のサービスが提供されている。
レオパレスの入居者からニーズを把握し、その入居者による将来性を利用してニーズにあった商品の仕入れ・開発を行ない、更に入居者の満足がそれで上がれば更にその相乗効果が生まれるとういう、レオパレスならではの入居者ビジネスが成り立っている。
■入居者向けの告知のみで売り上げが1年間で4倍に
告知はレオパレス入居者向けに出している月間総合情報誌掲載しているのみ。
現在、レオパレス入居者の規模に対してECサービスの利用者はまだまだ目標を捉えていないとのこと。それでも売り上げで言えば1年間で約4倍、ペースも順調に伸びていっている。
「現在、TV・PC・モバイル・月間総合情報誌と入居者向けの媒体には極力露出をしており、まずはLEO-NETの便利なコンテンツの1つとして認知されていき、LEO-NET自体の利用頻度が上がっていけばいいと思っています。
将来的にはLEO-NETの映像配信サービス(VOD・CSチャンネル)の利用者数を上回りたいですね。」」と長期的な視点で構える柘植店長。
こうした特異なECサービスの今後の成長は編集部としても非常に注目をしております。
