他社の事例に学べ!深堀り、成功EC事例インタビュー
モバイルコマース事業やモバイル広告代理事業を行なうビックタウンが語る、「モバイルコマースの展望」
08年10月期業績で売上高前年比41.5%増の38億円と大幅増収を果たし、3年間の売上高成長率877%を達成し「日本テクノロジー Fast50」にて2位(非上場企業で1位)を獲得するなど、急激な成長を果たすビックタウン。
EC向け広告代理事業・商材卸事業・モバイルコマース事業などを手がけ、モバイルコマース業界を代表する同社に、業界動向に関して伺ってきました!
ビックタウン株式会社
代表取締役社長CEO
近藤 勝俊 氏
■モバイルコマース売上はEC市場の15%。PCの補完サイトとしての時代は既に終わった
「EC業界は全体としては成長過程にありますが、正直、モバイルに力を入れていかないと業績が下降する企業が増えてくると考えています」と、開口一番に飛び出した台詞は、景気後退期に直面したEC業界に対する、ビックタウン代表を務める近藤氏の冷静な予測であった。
同氏が懸念するのは、モバイル機器の高度化や景気後退などの要因が重なり、消費者の行動が既に大きく変化している点である。
これまでは、PCのネットショップの補完的な立場としてモバイルコマースを行ってきた企業が非常に多かったが、現在ではモバイルコマースサイトをいかに独立したものとして活性化させるかが問われている。
それは、数年前にリアル店舗の補完的な立場としてネットショップを立ち上げた企業が多かった時の状況に似ており、現在のネットショップがリアル店舗の「補完」の役割を超えた独自成長を遂げたのと同様、ネットショップの補完サイトとしてのモバイルサイトの時代は終わっている。
現に、モバイルでアパレルECを運営しているサルース社(http://www.salus-jp.com/)がマルイシティ新宿に店舗を出したように、モバイルサイトから市場に参入し、ネットショップ開設、リアル店舗開設に間口を広げる企業が増えている。
08年8月に経済産業省が発表した統計ではECの市場規模は5兆3,440億円、同年7月に総務省が発表したモバイルコマースの市場規模は7,231億円となっており、単純比較で約15%が既にモバイルコマースの市場に移っている。
このような状況下で、特に若年層(20代~30代後半)向け商材を扱う企業でモバイルコマースを本格化していない企業に対し警鐘を鳴らす。
■不況知らずの「若者の世代」と「衝動買い」が支えるモバイルコマース
近藤氏は、景気後退期におけるモバイルコマースの成長の要因として、モバイルコマースの消費が「衝動買い」にあることが重要な要素であると考える。
「現在のEC市場から考えると、もちろんPCよるECの市場も引続き成長はしますが、価格比較することが既に文化になっているPCの特性と、景気が後退して消費者が価格にシビアになっている状況を考えると、PCサイトは価格競争に巻き込まれると考えています。
それに比較するとモバイルコマースは、メルマガの即時開封率が高いことからもわかるように即時性が高く、購入の多くが『衝動買い』となっています。
過去の景気後退期にそうであったように、衝動買いは景気には左右されませんし、若者は特に衝動買いをする割合が高い。さらにお財布事情が景気の影響を受けづらいので、比較的景気には左右されず、むしろ不況に強みをもつデバイスとなります」と語る近藤氏。
特に、情報発信源になりやすいモバイルは、若者向けのアパレル通販で非常に伸びているという。
■モバイルコマースで売れる商材は、商材単価3000円、ターゲットは20代~30代前半
では、全ての商材がモバイルコマースで売れるかというとそうではない。
モバイル向け商材の判断基準のひとつが価格。現在のモバイルコマースの平均を見ると、商材単価3000円前後、1回あたりの購入額は5000円から7000円程度という。
ちなみに、PCサイトの1回あたりの購入額は5000円ほどで、既にモバイルより低い。常時接続が当たり前となったPCサイトは、一度にまとめて購入する人が減ってきており、価格は下降傾向に、対してモバイルコマースは以前よりも安心感・安全という認識から価格が上がってきている。
また、ターゲットの年代に関しては、メインは20代。昨今の記事などで「モバイルコマースは10代~20代前半の若年層向け」というものをたまに見聞きするが、それは誤りで、やはり収入源が限られる10代の購入額は限られる。
逆に、40代より上の層をターゲットとする商材であればモバイルコマース特化の戦略は時期尚早といえる。
■モバイルコマースのマーケティングに重要なのは、AIDMAでもAISASでもなく「AIPAS」。PUSHとPULLの広告が重要
先日の講演で、モバイルコマースのマーケティングに重要なのは「AIPAS」であると講演されていた近藤氏。この言葉自体はこじ付けの用語であるとの事だが(笑)、モバイルコマースにおいて、 広告(=PUSHとPULLのアプローチ) が非常に重要になっていると自社のEコマース事業の実績から語る。
最近はメール広告の効果が比較的下がってきている状況があるが、とはいえ「衝動買い」を促すことができるメルマガ広告は、現在でも同社の広告代理事業の売上げの多くを占める。
また、最近はリスティング広告も増えてきており、同社の広告代理事業の1割ほどを占めるほどに成長している。
■合計2万着以上を販売したゲルマ配合パジャマ、その商品はどう企画されたのか
同社の事業の中で先月1億8000万の売上を達成し、初めて広告代理事業の売上を超え最大の売上部門に成長した卸事業。
同社では企画段階から商品制作に携わりOEMで制作した商品を、卸事業およびモバイルコマース事業で販売を行なっている。
昨年販売を開始したオリジナルのルームウェア「ゲルマキューティーシェイプルームウェア」が、自社サイトと卸合計で累計2万着以上販売するという驚異的な売上げを記録している。
▼商品名:ゲルマキューティーシェイプルームウェア
▼販売価格:2980円
「もともと弊社にはファッションのノウハウはあまりなかったのですが、健食・化粧品に関しては現在300近くの商材を販売しており、美容関連商材のノウハウが豊富にありました。そこで、美容で売れている商材と掛け合わせ、ゲルマの保温効果のある衣類を作ればと企画したのがこの商品です。特にこれといった販促は行っていませんが、非常に売れましたね。」と話す近藤氏。
これまで貯めてきたノウハウを掛け合わせて新商材の開発が可能となる点が、他社にはまねできない売れ筋商品を企画する力になっている。
同社の卸事業に関しては、自社で販売実績がある商品を卸すので、業者からの仕入れのニーズが非常に高い。更にその商材の効果的な販促の媒体やキャッチコピーなどの販促方法まで伝えることができるので、EC業者からの信頼が厚くなっている。
■今後はEC事業社への啓蒙活動、教育事業に力をいれ、モバイルコマースのリーディングカンパニーを目指します
現在、全ての事業が順調に伸びており、今後も既存事業全てに力を入れ、相乗効果を更に高めていくとのこと。
新規には、教育事業に力を入れる。
「初めに申し上げたとおり、まだまだモバイルコマース業界全体の啓蒙が必要だと考えております。モバイルコマースに特化した業界団体もまだないので、そこに力を入れていき、ゆくゆくはモバイルコマースのリーディングカンパニーとなれるよう頑張ります」と語る近藤氏。
現在同社では、薬事法広告・モバイルコマース運営・ECサイトのレイアウトなど様々なセミナーを開催しております。
▼同社のセミナー情報はこちらから
http://bict.jp/seminar.html
本日はお忙しい中有難う御座いました!
