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他社の事例に学べ!深堀り、成功EC事例インタビュー

競争の激しいアパレルEC市場で、「提案型」のサイトで勝ち抜いた、大きいサイズの婦人服販売店「アオエ」

不況の中でも成長を続けるEC業界、その中でも特にアパレル通販は著しい成長を続ける。しかし、市場全体の成長の裏側では、ECサイトの激しい乱立から熾烈な販売シェアの奪い合いや価格のたたき合いが始まっている。
そのような激戦区のアパレル通販で、ニッチ市場を開拓し成長を続けるECサイト「aoe」。
「大きなサイズの婦人服専門」というディープな市場に切り込み、規模拡大を行ってきた同社の戦略に関して伺ってきました。



株式会社アオエ
代表取締役
本間 典子 氏
運営サイト:大きいサイズの婦人服通販のお店「アオエショップ」
(URL= http://www.aoe.ne.jp/


■通常ネットでは困難とされるセット販売を実現するのは、商品の「提案力」
同社が扱うのは、一般的な店においてあるLL、3Lサイズより上の商品、バストで言えば約130cmまでの方が対応できる衣料品。それまでの野暮ったい年配の人が着るイメージであったその分野において、ファッション性の高い商材を販売し、「この店にしかない商品」を提案することで、多くのリピーターを抱えている。

07年5月にECサイトを立ち上げ、同年12月に月商1000万円と突破し、2年もたたないうちに月商2000万円弱まで行くという急成長を遂げた同社。この市場に目をつけたきっかけは、設立メンバー自身が体験した衣料品への苦労であった。
「立ち上げのきっかけは、設立メンバーの3人の体が大きく、洋服に非常に困っていたことでした。もっと流行に乗った服や、おしゃれな服を買いたいのに商品がない、そこで始めたのがきっかけでした。」と話すのは同社代表取締役の本間氏。
単にサイズの大きいものに特化するだけではなく、そこに「おしゃれなものを提案する」という要素を組み込んだことが、この店の成功の要因であることは想像に難しくない。

設立当時、大きなサイズの衣料を扱うECサイトは、地方の婦人服屋さんが独自サイトで展開するような店舗が多く、どのサイトもファッション性に優れた商品は扱っていなかった。そこで、普通の雑誌を見ている感覚でみてもらえるようなサイト作りを意識し、コーディネイトで提案することに相当な力を入れて運営を行ってきたという。
確かに、同社のサイトを見ると、女性誌のようにサイトをデザインし、洋服単品ではなくコーディネイトをされた衣類を掲載するページが非常に目立つ。

このコーディネイトによる提案により、リアル店舗とは異なり「セット販売」が難しいといわれるアパレルECで、セットでの購入を促すことに成功した。
現在、商品の単価が大体8900~12000円ほどの商品が比較的多く、それを2~3点で買う人が多いという。
その点において、もともとリアル店舗で衣料販売の経験のあるスタッフの力が非常に大きかったという。

また、同社のサイトでは、売上げの変動が激しく、アパレル企業には珍しく年間の繁忙期は年末商戦でもセール時期でもなく、セレモニー需要による卒業式前の2月だという。
そこで、季節ごとに商品ページを設けて「入学式にはこういうもの」という企画ものを多数設けて告知を行っている。


■1商品の在庫は2~3点。複雑を極める在庫管理
現在抱える悩みを伺うと、最も苦労する悩みの一つが、在庫管理。
サイズの大きい服の場合、生産に関しては工場が普通サイズの服を製作する合間で製作を行うため、いつのタイミングで上がるのかが全く把握できない。
あるシャツ商品が入荷されても、それに合わせるパンツが入荷されていないなど季節商品の時期がずれることも多く、コーディネイトを重要視する同社にとっては痛手となっている。
また、サイズとカラーのバリエーションが多く、同一のデザインのものでも、3種類のサイズ4色のカラーとなれば12種類の商品が存在するため、1つ1つの商品点数は2~3点が限界となる。現在1200~1300もの在庫を抱えているが、それでも特定の商品がすぐに売切れてしまうことも多々発生し、メーカーにもない商品も多いので取り寄せや再入荷も出来ず、
お客様にお断りをすることもあるという。


■品切れ続出の中でも、リピート率7割を維持するリピーター育成の秘訣は、丁寧な顧客対応。
そのような状況を逆手にとり、さらに顧客を広げる力となっているのが「決め細やかな顧客対応」。
もともとサイズがイレギュラーとなることもあり、商品に関する顧客からの連絡・問い合わせは非常に多く、商品の品質、コーディネイトや重ねたときのはみ出し具合など、非常に細かい質問が電話だけでも1日5~6件、メールは十数件と入り、その一つ一つに細かく対応を行っている。
「1回の電話でかかるときは30分以上と長いこともありますが、丁寧に対応をしています。そういった中でお客様のニーズも見えてきますし、どういったものを勧めれば買っていただけるのかもわかってきました。また、お客様の好みがわかればこちらから提案をすることも出来るのでそういった部分で満足いただけるお客様も多いですね。」と話す本間氏。
そうした細かい対応によりニーズを引き出し、顧客が望む商品が入荷した際にメルマガなどで案内をすることで多数のリピーターを生んでいる。
特に、サイズが合うものを探せた顧客のリピート率が高く、同時にその商品の入荷品数が少ないことも理解いただけているので、商品入荷情報に対するレスポンスも早いという。
ちなみに、既存顧客へのアプローチで有効なのはモバイルのメルマガで、レスポンス率が非常に高く、今では同店の楽天市場における売上げの約3割がモバイルによる売上げとなっている。

また、返品に関しても同社は全て丁寧に対応しており、セール品に関しても返品対応を行う。特に同店が扱うサイズの商材の返品や交換の割合は高く、約1割が交換・返品となるという。
そういった部分にも対応することで、再度注文を行うユーザーや、自分のサイズに合う服が入荷するのを待つユーザーが生まれている。
ユーザーが返品をしやすいように梱包を極力簡単なものにするなど、細かい部分でもその徹底振りがうかがえる。


■通常商品の100倍売れるデニムレギンス
売れ筋の商品を伺うと、このデニムレギンスが非常に売れているという。

このデニムレギンスが、普段は2~3点入荷して販売を行うなかで、1週間に100本を販売したという。
特徴は、縦・横・斜めなど全方面の伸びる生地と、裾の部分の刺繍飾りまで延び、スリムでおしゃれなシルエットを保ちつつ、快適で動きやすいという部分。
こういった細かい部分までを検証した上で発売を行い、売れ行き商品に成長させていくのが同社ならでは商品力である。

商品ページ(http://www.aoe.ne.jp/item/002/01/06/2291029.html)


■ばら撒き型の広告を通用しない、限られたターゲットに商品の情報をどれだけ流せるか
現在の販促を伺うと、メインとなる楽天市場に関しては月額5万円の「大きい服市場」に掲載をしているのみだという。これまで友人や家族へのギフト目的などを考え、ファッション部分への露出や、ポイントをフックにした販促などを行ってきたが、レスポンスは薄かった。
商材特性上、ピンポイントで探すことが多いので、よりセグメントされたターゲットに深い情報を与えることが重要となる。なので、商品をメインとして限られたターゲットに紹介をしていくことが最も効果的であるという。
現在7割以上の売上げをリピーターからの受注にて売り上げる同社。メルマガを含めたリピーターへの販促が一番の広告であるという。


■今後の展開
「私自身は、9年前からEC事業をやっており、その中でお客さんに育てられました。写真の撮り方などもお客さんから指摘をもらったこともあり色々と勉強をさせていただきました。大手通販も大きいサイズの洋服を扱っており、数では大手の企業様には正直勝てないと思っています。なので、また着たくなるようなお店を心がけて、商品力に力を入れ、お客様と一緒にいいサイトを作っていきたいと思っています。」と話す本間氏。
特に現在は大きいサイズのメーカーが少なく、顧客の満足についていけていない部分があるので、できればもっとメーカーを広げていきたいという。
次は月商3000万円の壁に向け精進していく。


■ご協力有り難う御座いました。

掲載日: 2009年3月19日