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アパレルEC大手のマガシークが語る、アパレルEC成長戦略



 ◆連載 第1回
   【雑誌業界の概念を覆す新規事業の立上げ、
              多品種小ロット販売でコンバージョンを上げる!?】


■小学館CanCam・講談社with・集英社MORE・non-no・・・、
 競合する人気女性誌の掲載商品を扱うという、それまででは考えられないサービスの実現


マガシークの代表を務める井上氏が2000年に商社の繊維部門の新規事業として始めたマガシークは、当時の雑誌業界概念を2つの意味で覆すものであった。

1つ目は、出版社がWEBの戦略を打つということ。
紙文化を守ってきた同業界にとって、WEB媒体は敵対視される傾向が強く、
どの出版社もWEB媒体とどう共存していくかに悩んでいる時代でもあった。
当時、やはりそこの部分で提携には非常に苦戦した。
ただ、マガシークは出版社にとっても新しい課金のモデルを提示するビジネスモデルであり、
そこに共感していただけた小学館のCanCamやOggiから、提携の話が進み、事業化された。

そしてもう1つが、競合するファッション誌が1つのサイト上で並ぶということ。
これもまた非常に珍しい光景であり、スタート当初は小学館1社であったが、
資本関係の近い集英社が参加し、現在は6社15誌が並ぶサイトとなった。
EC市場の成長と、成熟した雑誌市場という時代背景も企画を後押しした。

そして、2000年8月にいざサイトが立ち上がると、ユーザーのニーズは非常に高く、急激な成長を遂げていった。


― 実は雑誌掲載商品は全体の3割ほど。基本的にはバーチャルの百貨店

マガシークといえば、ファッション誌掲載商品が購入できるという点が真っ先に思い浮かぶが、
実は、雑誌に掲載されている商品は取り扱い商品全体の3割ほどに過ぎない。

基本的には「品揃えが日本最大級のアパレルECサイト」というものがメインにあり、その差別化としてファッション誌との提携がある。

競争が激しいアパレルECにおいて同社が成長していったのは、
やはりその差別化をうまく進めていったことがあげられる。

各出版社と資本提携を含めてオフィシャルな提携を行い、
「雑誌に出ているものが購入できるサイト」というブランディングを進めていく。
一方で、ユーザーが望む多数の商品を提供することで
更に売上げを伸ばしていくという両軸で進められた。


■売上げを稼ぐヒット商品はない。
 多品種小ロット販売でリスクを分散し、安定的な成長を続ける。


では、商品ごとの売れ筋はどうかというと、傾向としては雑誌掲載商品が売れるということはあるが、
基本的には1商品の取り扱いが少ないため、一般に言う2割の商品が8割の売上げを稼ぐような8:2の法則は当てはまらないという。

1商品につき数枚という取り扱い数で、膨大な種類の商品を販売していく形なので、
非常に回転が速く、その日入ってきたものが即日売り切れることも少なくないという。

数点の人気商品で売上げを稼ぐのではなく、常に最先端の商品を仕入れ、
コンスタントに売上げを上げていくことで、安定的な成長を続けている。


― 多品種小ロット販売で、コンバージョンが上がる!?

そのような販売を行っていく中で、人気商品が売り切れてしまうという状況が、多く発生する。
その副産物として生まれたのが、ユーザーに「早く買わないと売り切れる」という意識を持たせた事だ。

同社では社内でコールセンターを構築しているが、
そこでは購入前のユーザーよりも購入後のお客様からの問合せが多いという。

早く買わなければ商品が売切れてしまうということもあり、
まずは購入してみるという行動を起こす人がモバイルを中心に増えており、
それが高いコンバージョンにつながっている。


■ユーザーは30代をメインとした構成。

同社のサイトから感じるイメージと実際の状況が異なるモノがもう一つある。
それは、メインユーザーの年齢だ。

マガシークのメインユーザーは、提携しているファッション誌のターゲット層よりも幾分上だという。
自分で働いて経済的に余裕があり、しかし忙しくて買いにいけない、というOL層が中心となっており、
20代が5割と一番多いが、30代も比較的活用しているサイトというのが特徴だ。

なので、一般の20代向けアパレルECに比較するとモバイルでの売上げ比率は約3割程度と高くはない。

― 衝動買いが多いモバイルECには独自の戦略を

ただ、先日同社が行ったグループインタビューなどからも、モバイルでの購入の方が衝動買いしてしまう傾向があり、メルマガの反応なども非常に高い。
そういった部分があるので、今後は更にモバイルを利用したマーケティングに力を入れていくという。

■続きは第2回
 【セールやアウトレットで新規の獲得を行い、そこから「育成」していくマガシークのマーケティング】へ

掲載日: 2009年6月8日